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2016年06月28日

ショウジョウバエと医学

『マラリア物語』は、一時休ませていただき新たな視点から興味あることを紹介させていただきます。

ショウジョウバエはハエ目・ショウジョウバエ科に属するハエの総称です。

科学の分野ではその内の1種である"キイロショウジョウバエ"を指します。

キイロショウジョウバエは、突然変異を始めとする遺伝学の研究に使われています。

ショウジョウバエを描いた切手は、多くの国々から発行されています。

トーマス・ハント・モーガン(1866-1945)は、アメリカ合衆国の遺伝学者でショウジョウバエの染色体を研究し、『染色体の遺伝機能の発見』による業績で1933年にノーベル生理学・医学賞を受賞しました。

彼の弟子のハーマン・ジョーゼフ・マラー(1890-1967)は、ショウジョウバエに対するX線照射の実験で人為的に突然変異を誘発できることを発見し、『X線による人工(突然)変異の発見』による業績で1946年にノーベル生理学・医学賞を受賞しています。

切手は1933年マガダスカル発行の「ノーベル賞受賞者切手」で、右側にモーガン、左側にマラーが描かれています。



モーガン.jpg


切手は1989年スウェーデン発行の「ノーベル賞受賞者切手」で、モーガンによるキイロショウジョウバエを使った染色体の遺伝機能が描かれています。




キイロショウジョウバエ.jpg
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2016年06月21日

マラリア物語−7.マラリアの治療薬−

南アメリカ原産のアカネ科の薬用樹木であるキナの樹皮に含まれるアルカロイドのキニーネがマラリアの特効薬として最初に使用されました。

キニーネは第二次世界大戦頃まで多用されましたが、キニーネの構造を元にしたクロロキン・メフロキンなどの人工抗マラリア薬が開発されると、副作用の強いキニーネの使用は激減することになります。

キナの木から木からキニーネを初めて抽出したのは、ピエール・ジョセフ・ペルティエ(1788〜1842)とジョセフ・ベイネミ・カヴァントゥ(1795〜1877)で、1820年のことです。

切手は1970年フランス発行の「キニーネ発見150年記念切手」で発見者二人の肖像とともに、マラリア原虫を殺すキニーネが化学構造式で描かれています。


ペルティ.カヴァントゥ.jpg



切手は1970年ルワンダ発行の「キニーネ発見150年記念切手」で、キナノキの樹皮と花が描かれています。



キナノキ.jpg
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2016年06月13日

マラリア物語−6.マラリアが蚊によって伝幡されることを発見した人物−

イタリア人でパビア大学で医学を学び、動物学および寄生虫学者であったジョヴァンニ・バッティスタ・グラッシ(1854〜1925)は、1898年から1900年にかけて南イタリアで、ある種の蚊がマラリアを媒介することを実験的に証明しました。

しかし、当時はロナルド・ロス(1857-1932)がマラリア原虫の蚊の体内での発育と人体への侵入を発見(1898年)しており、1902年にはこの業績でロナルド・ロスはノーベル生理学・医学賞を受賞していたことからグラッシとロナルド・ロスとの間には激しい論争が展開されましたが、この発見の優先権はロナルド・ロスが得ることになります。

その後、グラッシはロナルド・ロスの発見を実証した功績により、イタリア元老議員に選ばれています。

切手は1955年イタリア発行の「グラッシ死去30年記念切手」で、彼の肖像とともにハマダラカと顕微鏡が描かれています。


グラッシュ.jpg

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2016年06月06日

マラリア物語− 5.世界モスキート・デー −

マラリア物語を再開いたしますのでお付き合い下さい。

「Mosquito Day:世界モスキート・デー」をご存知ですか?

今回は、「Mosquito Day:世界モスキート・デー」を紹介いたします。

ロナルド・ロス(1857〜1932)はインドで生まれたイギリスの病理学者で1892年よりマラリアの研究に従事し、1000匹以上の蚊を調べ、1897年8月20日ラブランが発見していたマラリアの病原体が蚊の胃壁にいることを確認し、更に蚊の唾液腺の中にマラリア原虫を発見し、マラリア原虫の生活史を解明しました。

その後1899年に西アフリカにてマラリアを伝播するハマダラカを発見し、これが感染の原因であることを証明することになります。

これを発見した8月20日は、「Mosquito Day:世界モスキート・デー」と呼ばれています。

「Mosquito Day:世界モスキート・デー」とは、ロナルド・ロスがハマダラカ蚊に刺されることでマラリアが感染することを発見した日にちなんだものです。

8月20日は蚊から感染する病気の伝搬を阻止するイベントが世界中で開催されています。

彼はマラリアに関する一連の研究が認められて、1902年「マラリアの侵入機構とその治療に関する研究」によりノーベル生理学・医学賞を受賞することになります。

切手は1962年スウェーデン発行の「ノーベル賞受賞60年記念切手」で、ロナルド・ロス(右側の人物)が描かれています。



ロス.jpg
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2016年05月30日

結核の恐怖再び!!??

結核が世界で猛威を振るっています。

日本では過去の病気とされている結核が、世界で猛威を振るっており、2014年の死者は150万人を超え、今やAIDSを上回り、世界中の全ての感染症の中で最多となっています。

更に多剤耐性結核も流行し、深刻な状態となってきています。

結核は、これまで考えられてきた以上に深刻との認識が世界的に高まりつつあります。

日本国内においても毎年新たにおよそ20000人の患者が発生し、年に2000人以上が死亡していることからして、日本は未だに結核蔓延国と言っても過言ではありません。

結核に対する認識を新たにして、結核撲滅に立ち向かう必要があります。

切手は1956年トルコ発行の「結核予防切手」で、サナトリウムと結核の療養をしている女性が描かれています。


結核予防.jpg


切手は1982年ガーナ発行の「結核菌発見100年記念切手」で、左上にWHOのマーク、その下に結核予防のシンボルマークの複十字、顕微鏡を覗く結果菌発見者のコッホ、培養試験管と顕微鏡下での結核菌が描かれています。


結核.ガーナ.jpg
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2016年05月24日

梅毒を病んだ黒田官兵衛!!??

日本で梅毒が初めて記録されたのは1512年のことで、歌人・三条西実隆(1455〜1537)の『再昌草』に記されています。

この頃は梅毒の治療薬もなく日本国内では昭和初期まで猛威を振るていました。

"自惚れと瘡気(かさけ)の無い者はない"と表現されているように、上は大名から下々の町人に至るまで梅毒は大流行していました。

1940年代以降ペニシリンを中心とする抗生物質による治療が行われるようになり、梅毒はほぼ完治する病気となり、ほぼ根絶されかけましたが2003年から増加傾向となり2016年現在日本国内では大流行しています。

日本国内に梅毒が入り込み現在までに多くの著名人が梅毒に悩まされそして、命を失っています。

今回は豊臣秀吉の名軍師と言われた黒田官兵衛(1546〜1604)を取り上げてみました。

彼は1604年に病没しますがその死因は梅毒が有力視されています。

黒田官兵衛は、荒木村重によって有岡城に監禁され足が不自由になった原因は梅毒性骨髄炎、そして頭に腫れ物ができて頭巾で隠していたのは、梅毒第三期のゴム腫の可能性が高く、そして晩年精神錯乱状態だったのは梅毒第四期の脳障害によるものであると医史学者は推測しています。

豊臣秀吉は、晩年「黒田の瘡天窓(かさあたま/梅毒で髪の抜けた頭)は何にとも心を許し難きものなり」と言っています。

切手は2014年日本発行のオリジナルフレーム切手「軍師 黒田官兵衛ゆかりの街 八幡西区」で、左に頭巾を被った黒田官兵衛が描かれています。



黒田官兵衛jpg.jpg

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2016年05月17日

食塩と高血圧、減塩は健康の元!!??

WHO(世界保健機関)は、食塩の摂取は一日5g未満としています。

反面欧米での研究結果から、米国では1日5.8gを推奨しています。

日本人の塩分摂取量は世界的にも高水準で、高血圧の専門家はさらなる減塩が必要と述べています。

そもそも減塩は何故勧められるのでしょうか?

これは食塩摂取量が高血圧と関連し、減塩し血圧を下げることで脳卒中など心血管疾患が減るという研究成果が報告されていることよります。

米国医学研究所が、2013年に発表した報告書「集団におけるナトリウム摂取−証拠の評価」では、食塩摂取量を基準未満にすることが、心血管疾患や病気による死亡を減少させる、あるいは増加させる証拠はないと反論しています。

要するにこの報告書は塩分量を制限し過ぎることで逆に健康に悪影響を与える可能性を示唆しているわけです。

医学界の常識として塩分は減らせば減らすほど良いと言われ続けて来ただけに、この報告書は海外で大きな波紋を呼んでいます。

日本高血圧学会・減塩委員会委員長は、一般的に一日に体から失われる食塩量は1.5g程度で、1日に2g摂取していれば塩分不足にならないし、我々が日々食べている食材には一日2g程度の食塩が含まれており、エネルギーや各栄養成分を確保したうえで、2g未満に減塩するのはきわめて難しいと指摘しています。

日本国内においてほぼ寝たきりの要介護5の原因の約3分の1は脳卒中、約5分の1は認知症で、いずれも高血圧が関与していると言われており、減塩が達成できれば健康寿命のさらなる延伸が期待できると専門家は指摘しています。

厚生労働省の定めた日本人の一日の食塩摂取量の目標値は、男性が8g未満、女性が7g未満ですが、平成26年の国民健康・栄養調査では、実際の摂取量は男性10.9g、女性9.2gでやはり、さらなる減塩は不可欠です。

切手は1978年サンマリノ発行の「WHO高血圧予防キャンペーン切手」で鳥の羽で血圧低下を表現しています。


WHO高血圧予防切手.jpg


切手は1978年ブルガリア発行の「高血圧予防年切手」で高血圧予防のエンブレムが描かれています。


高血圧予防切手.ブルガリア.jpg

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2016年05月08日

アルツハイマー病の発見と今日

アルツハイマー病は、認知機能低下、人格の変化を主な症状とする認知症の一種であり、認知症の60〜70%を占めるとされています。

アルツハイマー病は、この病気を初めて報告したドイツの医学者・精神科医のアロイジウス・アルツハイマー(1864〜1915)の論文にちなんで名づけられました。

1906年11月、アルツハイマーは研究論文「大脳皮質の特異な疾患について」をまとめ、第37回南西ドイツ精神科医学会で発表しますが、当初は見向きもされませんでした。

アルツハイマーの症例報告に会場は静まり返り、集まった医学会の医師達の反応は至って冷たく質疑応答も討議もまったくなかったと言われています。

世の中の摂理として、いくら優れた発見・知見でもその時には全く見向きもされず後になって見直されることは多々あることです。

1910年、ドイツの精神科医エミール・クレペリン(1856〜1926)は、この病態をアルツハイマー病と命名し、精神医学の教科書に大きく取り上げます。

以後、"アルツハイマー型認知症"、"若年性アルツハイマー病"、"脳血管性認知症"、"レビー小体型認知症"などの疾患名が確立される大きな足がかりになる訳です。

アルツハイマー病と言えば、元米大統領ロナルド・レーガン、映画俳優チャールトン・ヘストン、女優の吉田日出子や南田洋子さんも闘病した難病です。

アルツハイマー病の原因は完全には明らかにされていません。

加齢とともに誰しもが好むと好まざるにかかわらず成りうる疾患です。

私やあなたにもその時が来るかもしれません。

明日に向かって希望をつなぎながら生きられる人生であれば良いと思います。

著しい医学の進歩に伴いアルツハイマー病の発症原因・治療用新薬・予防法などの新知見が続々と発見され、いつしか克服可能となることを願いたいものです。

切手は2008年米国発行の「アルツハイマー病認識切手」で、アルツハイマーの患者の肩に優しく手を置くことにより患者へのいたわりを表現しています。


アルツハイマー.2008.jpg

posted by 血液の鉄人 at 11:14 | Comment(0) | TrackBack(0) | 医学切手 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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