この強靭で威厳ある存在は、単なるファンタジーの産物ではなく古代から現代に至るまで、王権、知恵、そして財宝の守護を象徴する究極のシンボルとして、世界の歴史の表舞台に立ち続けてきました。
なぜ、グリフィンはこれほどまでに愛され、国家の象徴に採用されるのでしょうか? ヨーロッパ各国から発行された切手から、その壮大な歴史を読み解きましょう!
1. 起源は古代オリエント:知恵と財宝の守護者
グリフィンの起源は非常に古く、紀元前数千年の古代エジプトやメソポタミアにまで遡ります。
古代オリエントでは、ライオンは「地上の王」、ワシは「空の王」とされ、この二つが合体したグリフィンは、天と地を支配する絶対的な権力を象徴しました。
黄金の守護者: グリフィンが最も有名になったのは、スキタイなどの北方民族の伝説です。彼らは、グリフィンがアジア奥地の山々で黄金の鉱脈を守っていると信じていました。この「財宝の守護者」という役割が、後のヨーロッパの紋章学に取り入れられていきます。
2. 王権の証:「クイーンズビースト」に見るグリフィン(イギリス)
グリフィンは、特にイギリス王室において重要な役割を果たしてきてイギリス切手に描かれその威厳を現代に伝えています。
🛡️ イギリス王室の守護獣:エドワード3世のグリフィン
最初の切手(1998年発行)に描かれているのは、**「エドワード3世のグリフィン」**です。
「ライオン・オブ・イングランド」(イングランドの獅子)と対になる形で描かれています。
このグリフィンは、中世の最も強力な王の一人であるエドワード3世の紋章に由来し、王家の威厳と、力の象徴として使われました。
王冠を戴いたライオンと共に、盾(シールド)を守る姿は、グリフィンが国家と王室の神聖な守護者であることを示しています。
✉️ 現代に生きるグリフィン(イギリス)
2枚目の切手(2015年発行)は、現代の郵便用途にも使われる普通切手のデザインです。
真っ赤なグリフィンが堂々と描かれています。
これは、1953年にエリザベス2世女王の戴冠式でウェストミンスター寺院を守った**「クイーンズビースト」**と呼ばれる10体の神話上の動物の彫像の一つに由来しています。
国家のシンボルが、時代を超えて日常の切手に採用され続けているのは、グリフィンの持つ**「不朽の力」と「格式高さ」**が今なお尊重されている証拠です。
3. 新生国家の象徴としてのグリフィン(ラトビア)
グリフィンは、西ヨーロッパだけでなく、バルト海沿岸の東ヨーロッパ諸国の紋章にも深く根付いています。3枚目の切手(ラトビア、2015年発行)は、その最たる例です。
ラトビアの国章: この切手は、ラトビア共和国の国章そのものです。盾の向かって右側(デクスター)を支えているのが、銀色のグリフィンです。
このグリフィンは、ラトビアの歴史的な地域の一つである**ヴィゼメ地方(Vidzeme)とラトガレ地方(Latgale)**を象徴しています。
国章は、国家の独立とアイデンティティを確立する上で非常に重要であり、グリフィンがその一部を担っていることは、この国が持つ強さと、歴史の深さを世界に示しています。
結論:グリフィンは歴史の「語り部」
古代の神話から王室の権威、そして新生国家のシンボルに至るまで、グリフィンは常に最も高貴で力強い役割を担ってきました。
切手という小さな紙片に凝縮されたグリフィンの姿は、私たちに過去の栄光と未来への希望、そして国家の揺るぎない精神を静かに語りかけているのです。


