2021年03月27日

招き猫

招き猫は、前足で人を招く形をした猫の置物で、猫は農作物や蚕を食べるネズミを駆除するため、古くは養蚕の縁起物であったそうですが養蚕が衰退してからは商売繁盛の縁起物とされて民間に伝わっています。

招き猫は右手を上げているものと、左手を上げているものがありますが、これはどの様な意味を持っているのでしょうか?

・右手を上げている猫

金運を招くと言われています。

・左手を上げている猫

お客を招くとされています。

・両手を上げている猫

欲張りすぎると、お手上げ万歳になるとと嫌う人が多いのであまり歓迎されていません。
上げている手の高さによっても意味があり、耳よりも上まで手が上がっているものを「手長」、耳よりも下に控えめに手を上げているものを「手短」と呼び、手が長く伸びているほど遠くの福や大きな福を招き、短いものは身近な福やささやかな幸せを招くとされているようです。

一般的に招き猫は、三毛猫が多いようですが近年では、地の色が伝統的な白や赤、黒色の他に、ピンクや青、金色のものもあり、色によっても青は「学業向上」や「交通安全」、ピンクは「恋愛」、白は「開運招福」を意味し万事に福をもたらすなど意味が異なるようです。

黒い猫は、夜でも目が見えるなどの理由から、「福猫」として魔除けや幸運の象徴とされ、黒い招き猫は魔除け厄除けの意味を持つと言われています。

赤色は疱瘡や麻疹が嫌う色との言い伝えがあり、赤い招き猫は病除けの意味を持つとのことです。

また近年では、恋愛運や金運など御利益ごとにピンクや金色などカラフルな招き猫も登場しています。


切手は2003年日本発行の「グリーティング切手」の中の1枚で右手を上げた招き猫が描かれています。


招き猫.2003.日本.jpg



切手は2020年ガンビア発行の「招き猫四面小型シート」で、右手と左手を上げている招き猫が描かれていますが、両手を上げた招き猫は描かれていません。


招き猫.四面シート.2020.ガンビア.jpg


切手は2020年ガンビア発行の「招き猫小型シート」で、左手を上げている黄金の招き猫が描かれていますが、やはり両手を上げた招き猫は描かれていません。


黄金の招き猫.2020.ガンビア.jpg
タグ:招き猫
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2021年03月20日

東条英機とオトポール事件

1933年、ヒトラー内閣成立後、『反ユダヤ主義的措置の実行に関する指令』が発せられ、ドイツに住むユダヤ人への迫害が始まりました。

その後ユダヤ人の迫害は日増しに激しくなり、ユダヤ人はポーランドを目指し脱出しましたが、ポーランド政府は受け入れに難色を示したため已む無くソ連へ向かうことになってしまいました。

しかし、ソ連もユダヤ人難民の受け入れを拒否していたため、ユダヤ人は満州国への入国を希望し、シベリア鉄道に乗り満州とソ連の国境まで来ていましたが満州国も日本とドイツの関係を気にして入国ビザの発給を拒否してしました。

昭和13年(1938年)3月 満州国とソ連の国境沿いにあるシベリア鉄道・オトポールという街に多数のユダヤ人が現れました。

酷寒のオトポール駅でユダヤ人たちは、行き先をなくし凍えていました。

これを知った極東ユダヤ人協会の代表のアブラハム・カウフマン博士は樋口喜一郎(1888〜1970)に救済を懇願した。

陸軍士官学校の同期であるユダヤ専門家安江大佐とともに、樋口季一郎陸軍少将は難民救済を決断し、即日、食料と衣類、燃料の援助を迅速に開始しそして満州国への入国の斡旋、入植や移動の手配を行った。

その後、樋口は南満州鉄道総裁・松岡洋右(1880〜1946)に交渉し、特別列車の要請をした、松岡はこの要請を受けて特別列車を上海まで走らせユダヤ人を救助することになります。

これが以後ユダヤ人の間で『ヒグチ・ルート』と呼ばれることになります。

その後、ユダヤ人難民の数は増え続け、満州から入国したユダヤ人の数は1938年だけで245名だったものが、1939年には551名、1940年には3,574名まで増えた。

当時日本はドイツと『日独防共協定』を結んでおり、当然のことながらドイツ外相の抗議書が日本に出され、日本軍部の中で樋口の独断行動が問題になりました。

陸軍の親ドイツ派は樋口を批判し、関東軍参謀長の東條英機中将(1884〜1948)が樋口を司令部に呼びつけ、ユダヤ人脱出ルートを閉鎖することを指示することになります。

この際樋口は東条中将に「ヒトラーのお先棒を担いで弱いものいじめをすることは正しいと思われますか」と説得します。

樋口の話に納得した東條英機は、ユダヤ人救出に対して全責任を請け負い、その後のドイツ外務省の抗議に対し、「当然なる人道上の配慮によって行ったものだ」と一蹴した。

その後、ユダヤ人難民の数は増え続け、満州から入国したユダヤ人の数は1938年だけで245名だったものが、1939年には551名、1940年には3,574名まで増えた。

戦後ソ連は樋口を戦犯に指名した。

この動きを察知した世界ユダヤ人会議は、世界中のユダヤ人コミュニティーを動かし、世界的な規模で樋口救出運動が展開した結果、ダグラス・マッカーサーはソ連からの引き渡し要求を拒否、樋口の身柄を保護します。

エルサレムの中心地にユダヤの偉人の功績を永遠に顕彰し刻む"ゴールデンブック"というものがあります。

そこにはモーゼ、メンデルスゾーン、アインシュタインの名前が刻まれ、4番目に「偉大なる人道主義者、ゼネラル・樋口」と刻まれています。

その次に樋口の部下であった安江仙江大佐(1888〜1950)の名も刻まれています。

しかし東条英機の名前は刻まれていません。

ユダヤ人教育家、ラビ・マーヴィン・トケイヤーはハルビンのユダヤ民族協会を通してユダヤ人社会との交流があった樋口、安江を救済しました。

一方、東條はユダヤ人と親交を結ぶ機会がなかったことから、ユダヤ人救済のことには触れられていません。

仮にユダヤ民族協会との交流があれば、ゴールデンブック入りは勿論の、東京裁判の判決に対し世界中のユダヤ人から助命嘆願書がマッカーサーのもとに寄せられた思われます。

ナチスの迫害からユダヤ人を救済した人物としては、シンドラー・杉原千畝としては有名ですが、日本軍人の樋口季一郎や安江仙江の名前を知る人は少ないと思います。

まして東京裁判で戦犯として裁かれた東条英機が、樋口季一郎の進言を受けてナチスドイツと対等に渡り合い、ユダヤ人を救済したことを知る日本人は更に少ないと思います。

当然のことながら樋口季一郎の行為も東条英機の同意承認がなければ行われなかったでしょう。

切手は1995年トーゴ発行の『終戦記念シート日本のリーダ小型シート』の中に収められた1枚で東条英機の肖像が描かれています。

残念なことには、樋口季一郎と安江仙江の切手は発行されていません。


東条英機.1995..jpg
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2021年03月13日

麻酔薬を開発した華佗

華佗(?〜208)は中国後漢末期の薬学・鍼灸に秀でた医師で麻沸散という麻酔薬を発明した人物です。

華佗は医術や薬の処方に詳しく、麻酔を最初に発明したとされており、「麻沸散」と呼ばれる麻酔薬を使って腹部切開手術を行なったという言い伝えがあることから、民衆からは「神医」と呼ばれています。

また、屠蘇や「五禽戯(ごきんぎ)」と呼ばれる体操による健康法の発明者とも言われています。

五禽戯とは、五種類の獣の動きを真似した体操で、虎、鳥、猿、鹿、熊が自然界で動き回り、運動不足とは無縁な動物達の動きを体操として取り入れる事で体を動かして肥満を解消しようというものなのです。

五禽戯は「調身」、要するに体を動かすことを中心とした医療気功です

麻沸散の処方の詳細は現代には存在しておらず、おそらくチョウセンアサガオを主成分としていたものと推測されています。

一説には大麻ではないかとも言われています。

華佗は中国では近代まで、手術は儒教の教えに反するとされたため、西洋医学が導入されるまで華佗の業績は認められていませんでした。



切手は2020年中国発行の「華佗切手」で、麻沸散を患者に飲ます華佗が描かれています。



華佗.麻沸散.2020.中国.jpg



切手は2020年中国発行の「華佗切手」で、五禽戯を教える華佗が描かれています。



華佗.五禽戯.jpg



切手は2020年中国発行の「華佗小型シート」で、華佗が描かれています。



華佗.小型シート.jpg

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2021年03月06日

何と!!トイレットペーパーに印刷されたコロナ切手

トイレットペーパーを使った珍しいコロナ切手を紹介します。

2020年10月オーストリアからトイレットペーパーを使用した「コロナ切手」が発行されました。

この国でも新型コロナウイルス流行によるトイレットペーパー不足騒ぎが起きたそうです。

本物のトイレットペーパーに印刷されていますが、このままでは破れやすいのでエンボス加工紙3枚重ねに印刷されラミネート紙が裏打ちされています。

図案としては、ソーシャルディスタンスを1m確保する意味から仔象の体長で1mが描かれていますが、中々理解しにくい図案ですねぇ。

この仔象は人と人の距離1mを表現する"赤ちゃんゾウ"で、その上に大きさを比較する新型コロナウイルス・小さな虫・ハエ・ネズミが描かれています。




オーストリア.トイレットペーパ切手2020.jpg

posted by 血液の鉄人 at 08:52 | Comment(0) | 医学切手 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする