有機水銀の中にメチル水銀があり、たいへん強い 毒を持っており、以前は農薬などに使われていましたが、現在はその危険性から使用されていません。。
一方、無機水銀は有機水銀より害も少 なく、蛍光灯やボタン電池、体温計、血圧計などに使用されています。
有機水銀(メチル水銀)は、体内に取り込まれやすいく、無機水銀は体内には取り込まれにくいという性質があります。
有機水銀のひとつであり、水俣病やイラクの水銀中毒の原因となったメチル水銀は、自然界においても、プランクトン→草食魚→肉食魚→哺乳動物といった食物連鎖により濃縮され、その結果、大型のマグロ、歯鯨、サメなどの中には比較的高濃度のメチル水銀を含有しているものが多くいます。
人が食品から摂取する水銀は魚介類からが最も多く、そのうち、メチル水銀は、ほとんど100%腸管から吸収され、腎臓、肝臓、脳などの臓器に蓄されてからその後、尿、糞便、頭髪などから排泄されます。
しかしメチル水銀は、脳・血液関門や胎盤などのバリアーを通過して、脳や胎児に移行します。
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人の体内に取り込まれたメチル水銀は、生物学的半減期がおよそ70日と考えられており、いつまでも体内に残り続けるのではなく、一定濃度以下のメチル水銀であれば、毎日摂取しても中毒量に達することはありません。
【水俣病】
窒素肥料工場から排水されたメチル水銀(有機水銀)に汚染された魚介類を食べることで、発症に至りました。
メチル水銀は神経系の特定部位に強い傷害を起こし、その結果それぞれの部位が持つ役割に応じた障害が起こります。
症状としては、運動失調・構音障害・視野障害・感覚障害・運動障害・聴力障害・感覚障害があります。
日本以外の多くの国でも、さまざまな程度の症状を有するメチル水銀中毒症がおきています。
切手は1979年セネガル発行の「第9回医学の日記念切手」で、水銀を取り込んだ魚の手前には水銀とメチル水銀と記載された瓶が描かれ、水の底には水銀の液滴が沈んでいるのが描かれています。

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