2022年01月29日

FFP2マスク切手

FFPとは、"Filtering Face Piece"の略で、粉塵(Staub)やエアゾル(Aerosol)を濾過するための欧州のマスクの基準です。

FFP2はヨーロッパが定めたEN規格に適合したマスクで、米国規格のN95、日本の防じんマスクのDS2に相当するものとして一般に認識されています。

FFPはFFP1、FFP2、FFP3の3段階に分けられ、FFP1マスクは空気中の粉塵の80%、FFP2は94%、FFP3は99%を除去します。

米国のN95は、FFP2とほぼ同等の濾過性能を有し、表面にFFP2のCEマーク(CE-Kennzeichen)が記されています。

FFP2、N95、KN95はほぼ同じ性能を有しています。

マスク規格は、国際間で統一されていないため、各規格において試験方法が異なり、試験数値は一概には比較できません。

切手は2021年オーストリア発行の「刺繍切手/マスク」で、ヨーロッパでマスクの製造に使用される素材(FFP2)を素材にした刺繍切手で新型コロナウイルスが描かれています。

当然郵便切手として使用できます。



FFP2マスク切手.2021.オーストリア.jpg


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2022年01月22日

新型コロナワクチンは筋肉注射で接種する

日本国内での予防接種の大半は皮下注射で、筋肉注射はあまり馴染みがありません。

ところが新型コロナワクチンは筋肉注射で接種することから一躍筋肉注射が注目されるようになりました。

そもそも筋肉注射とは、ワクチンなどの医薬品を肩の筋肉(三角筋)に直接注射する方法のことを言います。

現在使用されているファイザー社のワクチン、武田/モデルナ社及びアストラゼネカ社の新型コロナワクチンは、筋肉注射で接種します。

日本国内ではインフルエンザワクチンなどは、皮下注射で接種されていますが世界的にはインフルエンザワクチンなども、筋肉注射で行われている例が多くあります。

皮下注射と筋肉注射の痛みを比べた研究では、筋肉注射は皮下注射に比べてむしろ、注射した部位の痛みといった局所反応が少なかったという報告がされています。

【筋肉注射と皮下注射の仕方】

1.筋肉注射は、注射針を垂直に刺し皮下組織の下にある筋肉に接種します。

2.皮下注射は、注射針を斜めに刺し皮下組織に接種します。

【筋肉注射のメリット】

筋肉注射は筋肉内に注射することから皮下注射より吸収が速く、痛みも少ないことから皮下注射では痛みなどが強い薬の場合にも行われます。

※筋肉にはたくさんの血管が通っているため、接種されたワクチンの吸収が速いという特徴があります※

筋肉注射によるワクチン投与が世界的に行われている理由は、皮下注射よりも抗体産生が良好で、局所の副反応も小さいためで、CDCや諸外国のガイドラインでも推奨されています。

【筋肉注射が日本であまり使用されない理由】

日本で筋肉注射が避けられているのには、以下のような歴史的な背景があります。

1970年代に""不適切な筋肉注射""のせいで「大腿四頭筋拘縮症」という副作用が多く起こったことに起因しています。

要するに抗菌薬や解熱薬を何度も大量に筋肉注射したために発生した事故で、ワクチンの筋肉注射ではそのような副作用は起こりません。


切手は2021年インドネシア発行の「COVID-19ワクチン接種促進切手」で、新型コロナワクチンを筋肉注射で接種している光景が描かれています。



コロナワクチン接種.インドネシア.2021.jpg




切手は2020年ギニア発行の「COVID-19ワクチン接種促進小型シート」で、2枚の切手には新型コロナワクチンが、シート面上部には進化だコロナウイルスの模式図、その下には筋肉注射でワクチン接種している光景が描かれています。





新型コロナワクチン.ギニア.2020.jpg
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2022年01月15日

人獣共通感染症ウイルス(Zoonotic Viruses)

人獣共通感染症ウイルスとは、ヒトとヒト以外の脊椎動物の双方に感染するウイルスです。

人獣共通感染症ウイルスは、エボラ出血熱・新型コロナウイルス・鳥インフルエンザ・ウエストナイル熱・黄熱・狂犬病・ニパウイルス・ラッサ熱など20種類あります。

今回はその中からニパウイルスについての記事となります。

ニパウイルス感染症は1998年から1999年にかけてマレーシア、シンガポールで初めて発生した新興人獣共通感染症です。

流行当初日本脳炎感染と類似していることから、日本脳炎の流行と考えられましたが、ブタに直接接触した人のみが感染していることからして蚊による媒介と判断しずらく日本脳炎と明らかに異なる点があることから詳しい調査が行なわれ、新種のウイルスによる感染症であることが確認された次第です。

ニパウイルスは1999年のマレーシアの養豚業者の中の患者発生で初めて確認されました。
患者の出身村バル・スンガイ・ニパ村の名をとってニパウイルスと命名されました。

1999年3月にマレーシアで発生した急性脳炎の多発は、新種のパラミクソウイルスであるニパウイルスによるブタの感染とヒトでの脳炎であることが解明されています。

フルーツコウモリがニパウイルスの自然宿主ですが、フルーツコウモリ自体は明らかな疾患は引き起こしません。

感染経路としては、バングラデシュではウイルス保有コウモリによって汚染された果実類から感染したと言われていて、ヒトからヒトへの感染が生じた可能性も推測されています。

また、コウモリからウマへ感染し、ウマの尿がヒトへの感染源とも考えられています。

治療法は対処療法しかなく、感染予防ワクチンも存在していません。

ヒトの感染は無症状から致死的な脳炎まで広い幅があり、感染初期にインフルエンザ様症状、発熱、頭痛、筋肉痛、嘔吐、咽頭痛があります。

その後、めまい、意識の低下、急性脳炎を示唆する神経学的所見が散見し、非定型肺炎や急性呼吸不全を含む重症呼吸器症状がみられることもあります。

重症例では脳炎、痙攣などが起こり24時間から48時間以内に昏睡状態になることもあります。

致死率は60〜74%という報告があります。

2022年1月現在、日本国内での自然発生および,海外からの輸入症例は報告されていません。


切手は2020年チャド発行の「人獣共通感染症ウイルス小型シート」で、切手にはオオコウモリとニパウイルス(左上)、ニパウイルスの検査(上中央)、マスク着用による新型コロナウイルスの感染予防(右上)、ニパウイルスの脳への感染とニパウイルスの模式構造図(左下)、新型コロナウイルスの検査とウイルスの模式図(下中央)、新型コロナウイルスとそのワクチンと新型コロナウイルス(右下)が描かれ、シート面下にはニパウイルスのヒトへの感染経路が描かれています。


人獣共通感染症ウイルス.チャド.2020.jpg
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2022年01月08日

出来事切手−3.1990年代の出来事−

切手は2019年スペイン発行の「1990年代年の出来事変形切手」で、ヒトゲノム(上)、マドリード列車爆破テロ事件(中央)、ユーロの紹介(下)が描かれています。



2019年の出来事.2019.スペイン.png




◯ヒトゲノム(ドイツ語)

ヒトゲノム(英語ではジーノーム)の塩基配列の解読を目的とするヒトゲノム計画は1984年に最初に提案され、解読作業は1991年から始まっています。

ゲノムとは、遺伝子と染色体から合成された言葉で、DNAのすべての遺伝情報のことです。

ゲノムは体をつくるための、いわば設計図のようなもので、一人一人違っています。


◯マドリード列車爆破テロ事件(11−M)

2004年3月11日にスペインの首都マドリードで発生したマドリード列車爆破テロ事件で、191人が死亡、2,000人以上が負傷ています。

2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件と並び、日付から「3・11事件」と、さらにスペインでは"11-M"と呼称されています。


◯ユーロの紹介

1999年1月1日発足したヨーロッパ通貨統合により、新たにヨーロッパの共通通貨として登場した通貨名。

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2022年01月03日

出来事切手−2.1970年代の出来事−

切手は2017年スペイン発行の「1970年代年の出来事変形切手」で、高分子速光ファイバーの発明(左上)、ローマ法王ヨハネパウロ2世(右上)、スペイン民主主義の確立(左下)、新しい注射器の開発(右下)が描かれています。



1970年の出来事.スペイン.2017.jpg



◯高分子速光ファイバーの発明◯

1970年、アメリカのコーニング社が通信用光ファイバーを実用化したと発表。

ローマ法王ヨハネパウロ2世(1920〜2005)

ポーランド出身の第264代ローマ教皇で1978年に教皇就任。

◯スペイン民主主義の確立◯

1969年フランコの後継者として指名されたフアン・カルロス皇太子は、フランコの死後1975年11月フアン・カルロス一世として即位し自らを「全てのスペイン人の国王」と宣言しスペインの民主化が開始され1977年には総選挙が行われ、1978年には国民投票で憲法が承認されて国王の地位が明記された。

◯新しい注射器の開発◯

一方向注射器の発明。

少量の薬液を従来の注射器よりも高精度に且つ無駄なく吐出することのできる注射器。
posted by 血液の鉄人 at 08:30 | Comment(0) | 医学切手 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする