ところが新型コロナワクチンは筋肉注射で接種することから一躍筋肉注射が注目されるようになりました。
そもそも筋肉注射とは、ワクチンなどの医薬品を肩の筋肉(三角筋)に直接注射する方法のことを言います。
現在使用されているファイザー社のワクチン、武田/モデルナ社及びアストラゼネカ社の新型コロナワクチンは、筋肉注射で接種します。
日本国内ではインフルエンザワクチンなどは、皮下注射で接種されていますが世界的にはインフルエンザワクチンなども、筋肉注射で行われている例が多くあります。
皮下注射と筋肉注射の痛みを比べた研究では、筋肉注射は皮下注射に比べてむしろ、注射した部位の痛みといった局所反応が少なかったという報告がされています。
【筋肉注射と皮下注射の仕方】
1.筋肉注射は、注射針を垂直に刺し皮下組織の下にある筋肉に接種します。
2.皮下注射は、注射針を斜めに刺し皮下組織に接種します。
【筋肉注射のメリット】
筋肉注射は筋肉内に注射することから皮下注射より吸収が速く、痛みも少ないことから皮下注射では痛みなどが強い薬の場合にも行われます。
※筋肉にはたくさんの血管が通っているため、接種されたワクチンの吸収が速いという特徴があります※
筋肉注射によるワクチン投与が世界的に行われている理由は、皮下注射よりも抗体産生が良好で、局所の副反応も小さいためで、CDCや諸外国のガイドラインでも推奨されています。
【筋肉注射が日本であまり使用されない理由】
日本で筋肉注射が避けられているのには、以下のような歴史的な背景があります。
1970年代に""不適切な筋肉注射""のせいで「大腿四頭筋拘縮症」という副作用が多く起こったことに起因しています。
要するに抗菌薬や解熱薬を何度も大量に筋肉注射したために発生した事故で、ワクチンの筋肉注射ではそのような副作用は起こりません。
切手は2021年インドネシア発行の「COVID-19ワクチン接種促進切手」で、新型コロナワクチンを筋肉注射で接種している光景が描かれています。

切手は2020年ギニア発行の「COVID-19ワクチン接種促進小型シート」で、2枚の切手には新型コロナワクチンが、シート面上部には進化だコロナウイルスの模式図、その下には筋肉注射でワクチン接種している光景が描かれています。
