2024年06月29日

梅毒に悩んだ著名人−15.フローベール−

ギュスターヴ・フローベール(1821〜1880)は、フランスの小説家で、的確・精緻な表現で、リアリズム小説を芸術的に高めた人物です。

彼は1948年にエジプトからパレスチナ、シリア、トルコ、ギリシャ、イタリアを21ケ月かけて旅行し、この旅行中に梅毒トレポネーマに感染し梅毒を発症しその結果急激に頭髪が抜け、また太ったことで容貌が様変わりした。

梅毒性脱毛は、梅毒トレポネーマに感染し3ケ月以上経過してから起こり、頭皮の一部もしくは、全体的に脱毛が起こる症状です。


1851年6月に帰国し、9月より姦通を題材にした新たな小説『ボヴァリー夫人』の執筆を開始しています。


切手は1952年フランス発行の「著名人切手」の中の一枚で、フローベールが描かれています。


フローベール.フランス.1952.jpg

切手は2021年フランス発行の「フローベール生誕200年記念切手」で、彼の肖像が描かれています。


フローベール.フランス.2021.jpg


切手は2021年モナコ発行の「フローベール生誕200年記念切手」で、彼の肖像と彼の作品の挿絵が描かれています。


フローベール.モナコ.2021.jpg
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2024年06月22日

梅毒に悩んだ著名人−14.ラファエロ−

ラファエロ・サンティ(1483〜1520)は、盛期ルネサンスを代表するイタリアの画家、建築家で、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロとともに、盛期ルネサンスの三大巨匠と称されています。

彼の代表作としては、バチカン宮殿の署名の間の壁面に《聖体の論議》《アテナイの学堂》(1508〜1511年)がよく知られています。

また、聖母マリアと幼子キリストを描いた聖母子作品を数多く残したことから「聖母子の画家」とも呼ばれています。

彼は短い生涯の中で120点にも及ぶ作品を残しています。

ラファエロは「女ったらし」と言われるほどの女性好きで、"美しい女性を描くには、多くの女性と付き合わなければならない"との言葉を残したとも言われています。

ラファエロは37歳という若さでこの世を去りましたが、女性関係が派手であったことから彼の死因は梅毒と言われています。

当時はヨーロッパでも梅毒が大流行していましたから、数多くの女性と関係を持てば当然梅毒トレポネーマに感染しても不思議はありません。

新大陸から持ち込まれ当時流行していた梅毒トレポネーマの感染力は強く、症状も激しく、数年で神経障害を引き起こしていたと考えられています。

当時の記録には一晩で鼻が落ちた・性器が落ちた・顔が崩れたなど激しい症状が記録に残されています。

現在では当時のような激しい症状を短期間で引き起こすことなく、神経障害も十数年かけて引き起こされます。

彼の死因については色々取り沙汰されていて、一説には感染症の治療のために瀉血による血液の抜き取り過ぎによる失血死とも言われています。



切手は1963年サンマリノ発行の「絵画切手」で、ラファエロの自画像が描かれています。

ラファエロ.サンマリノ.1963.jpg


切手は1983年マダガスカル発行の「ラファエロ生誕500年記念小型シート」で、切手には彼の作品の一つである『コネスタビレの聖母』が、シート面にはラファエロの自画像が描かれています。


ラファエロ.マダガスカル.1983.jpg


切手は2020年バチカン市国発行の「ラファエロ没後500年小型シート」で、シート面左の切手には彼の作品の『キリストの変容(1516〜20年作)』が、右下にラファエロの自画像が描かれています。


ラファエロ.バチカン市国.2020.jpg
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2024年06月21日

二十四節気−12.夏至−

本日2024年6月21日は夏至です。

夏至とは、1年で1番昼の時間が長い日で、この日を境にだんだんと日が短くなっていきます。

昼が一番長いと言っても梅雨のまっただ中で、田植えの時期です。

関西のある地域では、稲の根がタコの足のように深く広く張ることを祈願して、夏至から半夏生(夏至の10〜11日後)の間にタコを食す風習があり、関東では新小麦ともち米を半分ずつ混ぜ合わせて作った焼き餅を食べる風習があります。

これは小麦餅とも呼ばれており、「餅のように何事にも粘り強く」との意味が込められています。


ヨーロッパでは夏至祭と呼ばれるお祭りがあり、夏至(6月21日)または聖ヨハネの日(6月24日)のあたりに行われます。


切手は1991年旧ソ連発行の「民族まつり切手」の中の一枚で、ラトビアの夏至祭が描かれています。


ラトビアの夏至祭.ソ連.1991.jpg


切手は2016年中国発行の「二十四節気・夏 6種連刷切手」の中の一枚で、夏至が描かれています。


夏至.中国.2016.png


切手は2000年台湾発行の「二十四節気切手」の中の一枚で、夏至が描かれています。


夏至.台湾.2000.jpg



切手は2023年香港発行の「二十四節気切手U 夏」の中の一枚で、夏至が描かれています。


夏至.香港.2023.jpg
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2024年06月15日

梅毒に悩んだ著名人−13.スメタナ−

ベドルジハ・スメタナ(1824〜1884)は、チェコの作曲家・指揮者・ピアニストでロマン派の作曲家として有名です。

6つの交響詩から成る『わが祖国』と、オペラ『売られた花嫁』、弦楽四重奏曲『弦楽四重奏曲第1番 「わが生涯より」』で知られています。

1874年より現れた耳の疾患、進行性麻痺と精神錯乱の原因は、若い頃に感染した梅毒スピロヘータによる脳梅毒の末期症状だとされています。

彼は1874年7月から耳の疾患が悪化し、10月には聴覚を失いますが、発作のない時や弟子の手を借りて精力的に作曲を続けています。

1884年スメタナは、梅毒の進行による脳障害でプラハの精神病院に収容されてここでその生涯を閉じます、享年60歳でした。


切手は1934年チェコスロバキア発行の「音楽家切手」で、スメタナの肖像が描かれています。


スメタナ.チェコスロバキア.1934.jpg


切手は1949年チェコスロバキア発行の「スメタナ切手」で、スメタナの肖像とともに国民劇場が描かれてます。



スメタナ.チェコスロバキア.1949.jpg


切手は1951年チェコスロバキア発行の「プラハの春切手」の中の一枚で、スメタナの肖像が描かれてます。


スメタナ.チェコスロバキア.1951.jpg


切手は1954年チェコスロバキア発行の「チェコ音楽の年記念切手」の中の一枚で、スメタナの肖像が描かれてます。


スメタナ.チェコスロバキア.1954.jpg


切手は1974年チェコスロバキア発行の「スメタナ生誕150年記念切手」で、スメタナの肖像が描かれてます。


スメタナ.チェコスロバキア.1974.jpg
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2024年06月08日

梅毒に悩んだ著名人−12.モーパッサン−

ギ・ド・モーパッサンアンリ・ルネ・アルベール・ギ・ド・モーパッサン(1850〜1893年)は、フランスの自然主義の作家です。

モーパッサンは梅毒トレポネーマに脳を侵された結果、精神障害を起こし自殺を図って、それがさらに体を弱らせる、この悪循環に陥り最終的には1892年自殺未遂を起こして、パリ16区パッシーの精神病院に収容され1893年にその病院で死亡しています。

1877年ころから先天的梅毒による神経系の異常を自覚するようになった言われています。

一説には1870年頃に感染したとも言われています。

モーパッサンの代表作は、『女の一生(原題・Une vie)』で当時トルストイにも高く評価されています。

1884年に発表した短編『二十九号の寝台』には、梅毒患者の美女の娼婦イルマが普仏戦争でフランスを占領したロシア兵に仇を討つために治療もしないで梅毒を感染させていき、やがては自分も梅毒に倒れることが描かれています。


モーパッサン短編集(三) (新潮文庫 新潮社; 改版 (1971/3/1))

※『二十九号の寝台』、『ル・オルラ』が収録されています※


モーパッサン.短編.jpg


彼が『ル・オルラ』を執筆した1880年頃には、第三期の進行性麻痺を伴った神経梅毒症状を呈し始めていたようです。

しかし、『ル・オルラ』には梅毒に関する記載は全くありません。

モーパッサンは、わが国においても20世紀初期の日本の作家にも影響を与えた作家です。

切手は1993年サンマリノ発行の「死去切手」の中の一枚で、モーパッサンの肖像とともに彼の作品が描かれています。


モーパッサン.サンマリノ.1993.jpg
posted by 血液の鉄人 at 07:43 | Comment(0) | TrackBack(0) | 医学切手 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする