2024年09月28日

梅毒に悩んだ著名人−26.番外編その5.野口英世と梅毒トレポネーマの純培養について−

梅毒を引き起こす梅毒トレポネーマの存在が知られてから、多くの研究者が試験管内での梅毒トレポネーマの純培養を試みてきましたが、全て失敗に終わり、試験管内での培養は未だ成功していません。

試験管内での培養が出来ないことから、梅毒トレポネーマの培養はウサギの睾丸に接種して、増殖される方法が今でも取られています。

野口英世(1876〜1928)は、米国ロックフェラー医学研究所において、明治44年(1911年)8月、「梅毒トレポネーマの純粋培養に成功」と発表しました。

このことで野口の名前は世界の医学界に知られることになりましたが、多くの研究者達が野口の梅毒トレポネーマの純粋培養の追試実験を試みましたが、誰もが成功することはありませんでした。

梅毒トレポネーマの培地による純粋培養については追試に成功した研究者がいないことから、当時の培地での完全な純粋培養は非常に困難であることが明らかになったため、残念なことに純粋培養の成功は現代ではほぼ否定されています。

我々日本人としては、彼が梅毒トレポネーマの純培養に成功したと思いたいですねぇ!!

切手は1993年ガイアナ発行の「20世紀の科学者と医学者9面切手」の内の1枚で、野口の肖像と顕微鏡及び顕微鏡で見た細菌と細胞が描かれています。


野口.ガイアナ.1993.jpg
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2024年09月22日

二十四節気−18.秋分−

本日2024年9月22日は秋分です。

秋分とは、春分と同じように太陽が真東から昇り真西に沈み昼と夜の長さが同じになる日です。

これからしだいに秋が深まっていき、外で活動していた虫たちが冬ごもりの支度をはじめる頃となります。

マッタケ・花梨がなり、甘い香りを漂わせる(キンモクセイ)金木犀が金色の花を咲かせ、彼岸花が咲き乱れます。

また秋分の日にはおはぎがお供えされます。

おはぎには小豆が使われますが、小豆の赤い色は災難から身を守る効果があると言われ、邪気を払うという信仰から、先祖供養が結びつき江戸時代から庶民の間に広まった習慣とされています。


切手は2000年台湾発行の「二十四節気切手」の中の一枚で、秋分が描かれています。


秋分.台湾.2000.jpg


切手は2018年中国発行の「二十四節気(秋)」の中の一枚で、秋分が描かれています。


秋分.中国.2018.jpg


切手は2009年日本発行の「ふるさと切手旅の風景シリーズ 第6集」で奈良・明日香の橘寺と咲き乱れるヒガンバナが描かれています。


ヒガンバナ.2009.jpg


切手は2019年日本発行の「おもてなしの花シリーズ 第12集」の中の一枚で、キンモクセイが描かれています。


キンモクセイ.2019.jpg
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2024年09月21日

梅毒に悩んだ著名人−25.番外編その4.梅毒トレポネーマとウサギの睾丸−

梅毒は、スピロヘータの一種の梅毒トレポネーマ (Treponema pallidum) によって引き起こされる性行為感染症のひとつです。

梅毒トレポネーマは、現在でも試験管内の人工培養は不可能のため、病原性の機構はほとんど解明されていません。

梅毒トレポネーマを増殖させる方法として、ウサギの睾丸に菌や検体を接種する方法がとられています。

接種して暫くすると梅毒トレポネーマが増殖して睾丸が腫れ上がるので、睾丸を取り出して磨りつぶして梅毒トレポネーマを採取します。

何故ウサギの睾丸でしか培養できないのかは、現在でもその理由は解明されていませんが、1998年には、梅毒トレポネーマ全ゲノムのDNA 配列が決定され公開されています。

しかしウサギも大変迷惑なことですね。


切手は1999年タイ発行の「世界青年切手展 THAIPEX '99 バンコク小型シート」で、イエウサギ達が描かれています。


世界青年切手展 THAIPEX '99 バンコク小型シート.タイ.1999.jpg
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2024年09月14日

梅毒に悩んだ著名人−24.番外編その3.梅毒が初めて歴史上に登場−

ヨーロッパで人類史上初めて梅毒が登場したのは15世紀の終わり頃です。

上は国王貴族から一般庶民まで分け隔てなく感染したことから、あらゆる階層に恐怖と不安を植えつける結果となりました。

古来より性病としての淋疾は知られてましたが、梅毒がこの時期爆発的に流行した理由は一切わかりませんでした。

1495年フランス王シャルル八世(1470〜1498)は、ナポリ王国の王位を手に入れんと32000の軍勢を引き連れてイタリア遠征に旅立ちました。

この遠征にはおよそ800人の娼婦も行動を共にし、兵士の多くは快楽に身を委ねたわけです。

そしてナポリに侵攻後兵士たちは、ナポリでも性に没頭することになります。

シャルル八世のナポリ駐屯の時期を同じくして、この地の兵士や娼婦の間に最初の梅毒が確認されるようになりました。

この不気味な伝染病をすべての人は忌み嫌い、フランス軍は「ナポリ病」、イタリア人は「フランス病」と呼びおたがいに罪のなすり合いをしたわけです。

結局のところシャルル八世の遠征は失敗しフランスに逃げ帰り、その後27歳で死亡していますが、死亡の原因はこの遠征中に感染した梅毒とも言われています。

シャルル八世は、イタリア遠征で梅毒をヨーロッパ中に広めたというありがたくない名誉を医学史上に残すことになります。


切手は2000年グレナダ発行の「君主切手」で、シャルル八世の肖像が描かれています。



シャルル8世.グレナダ.2000.jpg
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2024年09月07日

二十四節気−17.白露−

本日2024年9月7日は白露です。

白露は、秋の野に降りる"しらつゆ"のことで、大気がひえて野山の草に露ができる季節で残暑の中にも秋の気配が濃くなるころです。

降りた露は光り、白い粒のように見えます。

この時期暖かくなる春先に日本にやってきたツバメ達が、暖かい南の地域へと帰っていく頃でもあります。

また水辺を好むセキレイ(鶺鴒)の声が響き渡ります。

可憐なコスモス(秋桜)が見頃を迎え、ケイトウ(鷄頭)の花も咲き乱れすすきのフワフワした花穂も見られるようになります。

タチウオが旬の季節でもあり、マツタケも美味しい時期となります。


切手は2000年台湾発行の「二十四節気切手」の中の一枚で、白露が描かれています。


白露.台湾.2000.jpg

切手は2018年中国発行の「二十四節気(秋)」の中の一枚で、白露が描かれています。


白露.中国.2018.jpg

切手は2021年日本発行の「天然記念物シリーズ 第6集」の中の一枚で、セキレイが描かれています。


セキレイ.日本.2021.jpg

切手は2015年日本発行の「ふるさと切手信州の花」の中の一枚で、コスモスが描かれています。


コスモス.2015.jpg

切手は2020年日本発行の「おもてなしの花シリーズ 第14集」の中の一枚で、ケイトウが描かれています。


ケイトウ.日本.2020.jpg


切手は1993年韓国発行の「キノコ切手」の中の一枚で、マッタケが描かれています。


マッタケ.韓国.1993.jpg

切手は1962年北朝鮮発行の「魚切手」の中の一枚で、タチウオが描かれています。


タチウオ.北朝鮮.1962.jpg

切手は2021年日本発行の「自然の風景シリーズ 第1集」の中の一枚で、仙石原のススキ(神奈川県)が描かれています。


すすき.2021.jpg
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