この全身麻酔は、誰が最初に行ったのでしょうか?
1804(文化元年)年10月31日に、華岡 青州(1760〜1835)が「チョウセカアサガオ(曼陀羅華)」に数種類の薬草を配合した「通仙散(麻沸散)」を使用して、乳ガンの手術を行ったのが世界最初です。
「通仙散(麻沸散)」が麻酔薬として応用できたのは、青州の妻「かえ」と「おつぎ」の協力による結果です。
実験台となった「かえ」は、盲目となったことは、1699年に発表した有吉佐和子の小説『華岡 青州の妻』で広く知られていることです。
華岡 青州が使用した「通仙散(麻沸散)」による全身麻酔は、米国のロング(1842年)やモートン(1846年)によるエーテル麻酔を応用したことよりも先立つこと40年も前のことです。
米国のシカゴにある国際外科学会の栄誉館には、立石清美作による『華岡 青州の全身麻酔下の手術』の絵が飾られ、華岡 青州の功績を全世界の医師に示しています。
2000年発行の「第100回日本外科学会総会記念郵便切手」には、華岡 青州の肖像と共にその時用いた麻酔薬「通仙散」の主剤であるチョウセンアサガオが描かれています。

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