初回はオゾンホールについてです。
オゾンホール(Ozone hole)とは、南極や北極上空の成層圏のオゾン層における春期のオゾンの濃度の減少を言います。
1980年代初めに、春季の南極昭和基地上空のオゾン全量がそれまでと比較して、著しく少なくなっていることが、気象庁等の観測により発見され、これは後日オゾンホールと呼ばれるようになった現象を観測したものです。
オゾンホールは南極上空のオゾン量が極端に少なくなる現象で、オゾン層に穴の開いたような状態であることからその名が付けられました。
フロンは人体には無害で科学的に安定なことからクーラーの冷媒・ドライクリーニングや精密機器の洗浄・スプレー缶の噴霧剤に利用されていました。
フロンの使用量が増加するにつれて、フロンが成層圏のオゾン層を破壊することになります。
オゾン層が破壊されると有害な紫外線が直接地表に降り注ぎ、皮膚がんの増加や地球の温度が上昇するという悪影響が出てきます。
そのため国際会議によって論議されフロンの使用制限と停止、代替えフロンの開発が進められ、1995年には先進国ではフロンの使用と生産は中止されました。
その結果オゾンホールの拡大傾向には一定の歯止めがかかることになりました。
切手は1991年イギリス領南極地域発行の「南極のオゾン層観察切手」で、南極のオゾン層が描かれています。

切手は1992年パナマ発行の「オゾン層保護切手」で、南極の地図にオゾンホールが描かれ、四隅にはオゾン層破壊の原因となるスプレー缶からのフロンの噴出・工場の煙突から出る亜酸化窒素・燃え盛る火・ロケットが描かれ、切手下部には『オゾンの合羽を救おう』の文字が書かれています。
※合羽(かっは)はポルトガル語を語源としていますから、"CAPA"は『合羽』を意味しています。

切手は2012年ブルンジ発行の「南極の破壊切手」の中の1枚で、南極のオゾンホールとともにシャチが描かれています。
