2022年01月15日

人獣共通感染症ウイルス(Zoonotic Viruses)

人獣共通感染症ウイルスとは、ヒトとヒト以外の脊椎動物の双方に感染するウイルスです。

人獣共通感染症ウイルスは、エボラ出血熱・新型コロナウイルス・鳥インフルエンザ・ウエストナイル熱・黄熱・狂犬病・ニパウイルス・ラッサ熱など20種類あります。

今回はその中からニパウイルスについての記事となります。

ニパウイルス感染症は1998年から1999年にかけてマレーシア、シンガポールで初めて発生した新興人獣共通感染症です。

流行当初日本脳炎感染と類似していることから、日本脳炎の流行と考えられましたが、ブタに直接接触した人のみが感染していることからして蚊による媒介と判断しずらく日本脳炎と明らかに異なる点があることから詳しい調査が行なわれ、新種のウイルスによる感染症であることが確認された次第です。

ニパウイルスは1999年のマレーシアの養豚業者の中の患者発生で初めて確認されました。
患者の出身村バル・スンガイ・ニパ村の名をとってニパウイルスと命名されました。

1999年3月にマレーシアで発生した急性脳炎の多発は、新種のパラミクソウイルスであるニパウイルスによるブタの感染とヒトでの脳炎であることが解明されています。

フルーツコウモリがニパウイルスの自然宿主ですが、フルーツコウモリ自体は明らかな疾患は引き起こしません。

感染経路としては、バングラデシュではウイルス保有コウモリによって汚染された果実類から感染したと言われていて、ヒトからヒトへの感染が生じた可能性も推測されています。

また、コウモリからウマへ感染し、ウマの尿がヒトへの感染源とも考えられています。

治療法は対処療法しかなく、感染予防ワクチンも存在していません。

ヒトの感染は無症状から致死的な脳炎まで広い幅があり、感染初期にインフルエンザ様症状、発熱、頭痛、筋肉痛、嘔吐、咽頭痛があります。

その後、めまい、意識の低下、急性脳炎を示唆する神経学的所見が散見し、非定型肺炎や急性呼吸不全を含む重症呼吸器症状がみられることもあります。

重症例では脳炎、痙攣などが起こり24時間から48時間以内に昏睡状態になることもあります。

致死率は60〜74%という報告があります。

2022年1月現在、日本国内での自然発生および,海外からの輸入症例は報告されていません。


切手は2020年チャド発行の「人獣共通感染症ウイルス小型シート」で、切手にはオオコウモリとニパウイルス(左上)、ニパウイルスの検査(上中央)、マスク着用による新型コロナウイルスの感染予防(右上)、ニパウイルスの脳への感染とニパウイルスの模式構造図(左下)、新型コロナウイルスの検査とウイルスの模式図(下中央)、新型コロナウイルスとそのワクチンと新型コロナウイルス(右下)が描かれ、シート面下にはニパウイルスのヒトへの感染経路が描かれています。


人獣共通感染症ウイルス.チャド.2020.jpg
posted by 血液の鉄人 at 08:22 | Comment(0) | 医学切手 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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