現在、先進国ではほとんど感染者は見られなくなりましたが、アジアやアフリカなどの発展途上国ではいまだに流行が見られ、年間600万人が失明するといわれています。
先進国でも見られるトラコーマはほとんどが垂直感染(出産時感染)によるものです。
わが国では、昭和30年代、10万人を超えるトラコーマ患者が存在していましたが、58年以降わが国ではほとんどトラコーマは見られなくなってぃます、その理由としては、テトラサイクリン系、マクロライド系抗生物質眼軟膏(なんこう)やサルファ剤の内服薬がトラコーマに対して非常に効き目がよいことから、わが国では存在しなくなりました。
トラコーマが無くなって喜んではいられません、現在クラミジア・トラコマティスが全くいなくなってしまったわけではなく、形を変え、クラミジア性尿道炎や第四性病といわれる鼠径(そけい)リンパ肉芽腫症といった性行為感染症としてのクラミジア感染症の原因となり、流行しています。
トラコーマクラミジアに感染している妊婦が、治療を行わない場合、50〜75%の新生児は、母親から、母子垂直感染(産道感染)し、結膜、鼻咽腔、直腸、膣などに感染することになります。
更に、20〜50%の新生児は、封入体結膜炎を発症し、3〜20%の児は、新生児期や乳児期に、肺炎を発症する事が知られています。
1997年キューバ発行の「世界保健の日」の切手で、クラミジア・トラコマチスと眼球を描いています。