2024年10月12日

梅毒に悩んだ著名人−28.番外編その6.梅毒スピロヘータは、抗生物質に対する耐性を持たない??!!−

梅毒は、ペニシリンの登場によって治療可能な感染症となりました。

感染後、抗生物質を投与することにより完治します。

多くの病原体は、抗生物質に対して、耐性を持つようになり、耐性を持つものが増加しますと抗生物質が効かなくなってきます。

現代医学に置いても、「多剤耐性菌」と呼ばれる多くの種類の抗生物質に対して耐性をもつ病原体の出現により、抗生物質が全く効き目がなくなる状況下にあります。

しかし、梅毒スピロヘータは、抗生物質に対する耐性を持つことは無く、ほとんどすべての抗生物質が効きます。

このように薬剤耐性を持たない病原体は非常に稀です。

抗生物質が著明な効果を示しても、梅毒が根絶されないのは、この感染症が性によって感染するからです。

古来より性によって感染する感染症は、何一つ根絶されていません。



切手は2020年モザンビーク発行の「フレミング小型シート」で、切手には実験室の椅子に座るフレミング、シート面には実験中のフレミングとシャーレに生えた青カビとノーベル賞のメダルが描かれています。


フレミング.モザンビーク.2020.jpg


切手は2023年ジブチ発行の「ペニシリン発見95年記念小型シート」で、シート面には実験中のフレミング、切手上部なら下に彼がペニシリンを発見したセント・メアリー病院・青カビとペニシリンの化学式・ペニシリン発見95年のロゴとイグチ科のキノコとともにフレミングの肖像が描かれています。



ペニシリン発見95年.ジブチ.2023.jpg

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2024年10月09日

二十四節気−19.寒露−

本日2024年10月8日は寒露でした。

本格的な秋の始まりになりこの頃になると五穀の収穫もたけなわで、農家では繁忙を極めます。

この時期は夜が長くなり、露がつめたく感じられ、朝晩の冷え込みはきつくなりますが、空気が澄んだ秋晴れの過ごしやすい日が多くなります。

ツバメと入れ違いに雁が北から渡ってくる頃(鴻雁来:こうがんきたる)となり、菊の花が咲く季節でもあります。

旬のものとしては、クリ・ハタハタ・ちんげんさい・ザクロ・ギンナンなどがあります。


切手は2000年台湾発行の「二十四節気切手」の中の一枚で、寒露が描かれています。


寒露.台湾.2000.jpg


切手は2018年中国発行の「二十四節気(秋)」の中の一枚で、寒露が描かれています。



寒露.中国.2018.jpg



切手は2022年台湾発行の「故宮博物院の絵画6種連刷切手」の中の一枚で、寒露が描かれています。


寒露.台湾.2022.jpg


切手は2017年日本発行の「秋のグリーティング切手」の中の一枚で、クリが描かれています。


クリ.日本.2017.jpg


切手は2016年日本発行の「野菜とくだものシリーズ切手第6集」の中の一枚で、ギンナンが描かれています。


ギンナン.日本.2016.png
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2024年10月05日

梅毒に悩んだ著名人−27.番外編その6.梅毒の治療法ーグアヤック療法−

16世紀ヨーロッパに蔓延していた梅毒の治療法は、西インド諸島原産でハマビシ科の常緑喬木の癒瘡木(ユウボクソウ)(グアヤック樹)を煎じて、空腹時に服用させる"グアヤック療法"か行われていました。

当時、南ドイツ・アウグスブルクの豪商フッガー家が癒瘡木(ユウボクソウ)輸入販売を独占し巨万の富を得ていました。

当然"グアヤック療法"は、梅毒治療には何の効果もなく、フッガー家が巨万の利益を得ただけでした。

その後、フッガー家は癒瘡木の販売をやめて、水銀の独占販売を行うようになり、水銀による危険な梅毒治療が20世紀まで延々と続けられることになります。


切手は1959年ドイツ発行の「ヤーコブ・フッガー生誕500年記念切手」で彼の横顔が描かれています。

※ヤーコブ・フッガー(ヤーコブ2世)(1459〜1525)は、彼の代にフッガー家は膨大な資産を有するようになる※


フッガー2世.ドイツ.1959.jpg

切手は1978年バージン諸島発行の「木の花の切手」で、癒瘡木が描かれています。


ユウボクソウ.1978.バージン諸島.jpg
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2024年09月28日

梅毒に悩んだ著名人−26.番外編その5.野口英世と梅毒トレポネーマの純培養について−

梅毒を引き起こす梅毒トレポネーマの存在が知られてから、多くの研究者が試験管内での梅毒トレポネーマの純培養を試みてきましたが、全て失敗に終わり、試験管内での培養は未だ成功していません。

試験管内での培養が出来ないことから、梅毒トレポネーマの培養はウサギの睾丸に接種して、増殖される方法が今でも取られています。

野口英世(1876〜1928)は、米国ロックフェラー医学研究所において、明治44年(1911年)8月、「梅毒トレポネーマの純粋培養に成功」と発表しました。

このことで野口の名前は世界の医学界に知られることになりましたが、多くの研究者達が野口の梅毒トレポネーマの純粋培養の追試実験を試みましたが、誰もが成功することはありませんでした。

梅毒トレポネーマの培地による純粋培養については追試に成功した研究者がいないことから、当時の培地での完全な純粋培養は非常に困難であることが明らかになったため、残念なことに純粋培養の成功は現代ではほぼ否定されています。

我々日本人としては、彼が梅毒トレポネーマの純培養に成功したと思いたいですねぇ!!

切手は1993年ガイアナ発行の「20世紀の科学者と医学者9面切手」の内の1枚で、野口の肖像と顕微鏡及び顕微鏡で見た細菌と細胞が描かれています。


野口.ガイアナ.1993.jpg
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2024年09月22日

二十四節気−18.秋分−

本日2024年9月22日は秋分です。

秋分とは、春分と同じように太陽が真東から昇り真西に沈み昼と夜の長さが同じになる日です。

これからしだいに秋が深まっていき、外で活動していた虫たちが冬ごもりの支度をはじめる頃となります。

マッタケ・花梨がなり、甘い香りを漂わせる(キンモクセイ)金木犀が金色の花を咲かせ、彼岸花が咲き乱れます。

また秋分の日にはおはぎがお供えされます。

おはぎには小豆が使われますが、小豆の赤い色は災難から身を守る効果があると言われ、邪気を払うという信仰から、先祖供養が結びつき江戸時代から庶民の間に広まった習慣とされています。


切手は2000年台湾発行の「二十四節気切手」の中の一枚で、秋分が描かれています。


秋分.台湾.2000.jpg


切手は2018年中国発行の「二十四節気(秋)」の中の一枚で、秋分が描かれています。


秋分.中国.2018.jpg


切手は2009年日本発行の「ふるさと切手旅の風景シリーズ 第6集」で奈良・明日香の橘寺と咲き乱れるヒガンバナが描かれています。


ヒガンバナ.2009.jpg


切手は2019年日本発行の「おもてなしの花シリーズ 第12集」の中の一枚で、キンモクセイが描かれています。


キンモクセイ.2019.jpg
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2024年09月21日

梅毒に悩んだ著名人−25.番外編その4.梅毒トレポネーマとウサギの睾丸−

梅毒は、スピロヘータの一種の梅毒トレポネーマ (Treponema pallidum) によって引き起こされる性行為感染症のひとつです。

梅毒トレポネーマは、現在でも試験管内の人工培養は不可能のため、病原性の機構はほとんど解明されていません。

梅毒トレポネーマを増殖させる方法として、ウサギの睾丸に菌や検体を接種する方法がとられています。

接種して暫くすると梅毒トレポネーマが増殖して睾丸が腫れ上がるので、睾丸を取り出して磨りつぶして梅毒トレポネーマを採取します。

何故ウサギの睾丸でしか培養できないのかは、現在でもその理由は解明されていませんが、1998年には、梅毒トレポネーマ全ゲノムのDNA 配列が決定され公開されています。

しかしウサギも大変迷惑なことですね。


切手は1999年タイ発行の「世界青年切手展 THAIPEX '99 バンコク小型シート」で、イエウサギ達が描かれています。


世界青年切手展 THAIPEX '99 バンコク小型シート.タイ.1999.jpg
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2024年09月14日

梅毒に悩んだ著名人−24.番外編その3.梅毒が初めて歴史上に登場−

ヨーロッパで人類史上初めて梅毒が登場したのは15世紀の終わり頃です。

上は国王貴族から一般庶民まで分け隔てなく感染したことから、あらゆる階層に恐怖と不安を植えつける結果となりました。

古来より性病としての淋疾は知られてましたが、梅毒がこの時期爆発的に流行した理由は一切わかりませんでした。

1495年フランス王シャルル八世(1470〜1498)は、ナポリ王国の王位を手に入れんと32000の軍勢を引き連れてイタリア遠征に旅立ちました。

この遠征にはおよそ800人の娼婦も行動を共にし、兵士の多くは快楽に身を委ねたわけです。

そしてナポリに侵攻後兵士たちは、ナポリでも性に没頭することになります。

シャルル八世のナポリ駐屯の時期を同じくして、この地の兵士や娼婦の間に最初の梅毒が確認されるようになりました。

この不気味な伝染病をすべての人は忌み嫌い、フランス軍は「ナポリ病」、イタリア人は「フランス病」と呼びおたがいに罪のなすり合いをしたわけです。

結局のところシャルル八世の遠征は失敗しフランスに逃げ帰り、その後27歳で死亡していますが、死亡の原因はこの遠征中に感染した梅毒とも言われています。

シャルル八世は、イタリア遠征で梅毒をヨーロッパ中に広めたというありがたくない名誉を医学史上に残すことになります。


切手は2000年グレナダ発行の「君主切手」で、シャルル八世の肖像が描かれています。



シャルル8世.グレナダ.2000.jpg
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2024年09月07日

二十四節気−17.白露−

本日2024年9月7日は白露です。

白露は、秋の野に降りる"しらつゆ"のことで、大気がひえて野山の草に露ができる季節で残暑の中にも秋の気配が濃くなるころです。

降りた露は光り、白い粒のように見えます。

この時期暖かくなる春先に日本にやってきたツバメ達が、暖かい南の地域へと帰っていく頃でもあります。

また水辺を好むセキレイ(鶺鴒)の声が響き渡ります。

可憐なコスモス(秋桜)が見頃を迎え、ケイトウ(鷄頭)の花も咲き乱れすすきのフワフワした花穂も見られるようになります。

タチウオが旬の季節でもあり、マツタケも美味しい時期となります。


切手は2000年台湾発行の「二十四節気切手」の中の一枚で、白露が描かれています。


白露.台湾.2000.jpg

切手は2018年中国発行の「二十四節気(秋)」の中の一枚で、白露が描かれています。


白露.中国.2018.jpg

切手は2021年日本発行の「天然記念物シリーズ 第6集」の中の一枚で、セキレイが描かれています。


セキレイ.日本.2021.jpg

切手は2015年日本発行の「ふるさと切手信州の花」の中の一枚で、コスモスが描かれています。


コスモス.2015.jpg

切手は2020年日本発行の「おもてなしの花シリーズ 第14集」の中の一枚で、ケイトウが描かれています。


ケイトウ.日本.2020.jpg


切手は1993年韓国発行の「キノコ切手」の中の一枚で、マッタケが描かれています。


マッタケ.韓国.1993.jpg

切手は1962年北朝鮮発行の「魚切手」の中の一枚で、タチウオが描かれています。


タチウオ.北朝鮮.1962.jpg

切手は2021年日本発行の「自然の風景シリーズ 第1集」の中の一枚で、仙石原のススキ(神奈川県)が描かれています。


すすき.2021.jpg
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